遭難事故

さて、九州と言えども1700m級の山々が連なる山群ですので
温暖な平地とは環境がまったく異なります。
これまでに、遭難事故で尊い命を落とした登山者もおります。
二度とこのような事故がないよう、九重連山における遭難事故の実態を書きます。

九重連山での初めの大きな遭難と言われているのが
昭和5年の夏、大学生が山頂から月を見ようと2人で入山したが
台風の暴風雨と濃霧で道迷いになり、中岳、御池の近辺にある池の小屋を
発見できずに2人とも息絶えたという事故です。
真夏の時期にも関わらず、疲労凍死と言われています。
私も同時期に同じ場所を歩いた時、ひどい雨になったことがあります。
この時、真夏にも関わらず寒いと感じましたので、慰霊碑を前にして当時の様子が
少しわかった気がしました。
法華院温泉山荘主催 苦汁登山より

それから32年後の昭和37年正月。
初日の出を見ようと入山した大分、福岡の2パーティーが猛吹雪の中
北千里でリング・ワンデリング状態()になり、9人中7名が死亡、2名が凍傷という
くじゅう連山最大の事故となった。
生き残った2名は、当時有人だったスガモリ小屋(今のスガモリ避難小屋)に辿り着き
助かったらしい。その後、このような事故が起こらないように「愛の鐘」が設置された。

以上が大きな遭難事故となるが、実際はニュースになってないだけで
落雷や病気による死亡事故。骨折、捻挫、道迷いなどによる
通報・捜索などは頻繁に起こっているという。

事故は100%防ぐことはできませんが、可能な限り少なくすることは出来ます。
それは、一人ひとりの意識改善であり、登山者同士のコミュニケーションにあると思います。
自分の体力を過信せず、登山をするという意識をしっかりもって、知識や技を次の世代に伝える。
そして皆さんが安全に登山を楽しめるような環境が確立できればと思っています。

※リング・ワンデリング(輪形彷徨)とは、まっすぐに行進しているつもりで、実際には同じ場所をぐるぐると回り続けるという現象。